【宅建】難易度はどれくらい?名称変更で「士業」になり難化した?

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宅建試験の難易度はどれくらいでしょうか?

→難しいだの普通だのカンタンだのと言ってもはじまらないので、この記事では2つの観点から考えていきます。
1.管理人自身の受験経験から他資格と比較してみる
2.合格率と合格点から検討してみる

また宅建は近年難しくなっているのでしょうか?

→平成27年度より「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」と名称変更、つまり「士業」の仲間入りを果たしました。このことから難易度が上がっているのではないか?ということもデータから考えていきたいと思います。

目次

管理人自身が宅建とそれ以外の資格を受験(合格)して感じること

受験回数難易度実際の勉強時間必要勉強時間
宅建2★★★300250
日商簿記2級1★★100150
基本情報処理2★★80くらい?130くらい?
FP2級2★★80くらい?130くらい?

管理人の場合、宅建とよく比較される試験を受験・合格していますので表にしてみました。

まず上の表の意味を説明すると「実際の勉強時間」というのは、文字通り自分が合格までに実際にかかった時間です。(下の2つはかなり曖昧でごめんなさい。)

そして「必要勉強時間」というのは、合格後客観的に見て1回の受験で合格できるために必要だった勉強量を感覚的に出してみました。(運よくギリギリとかではなく、よほど運が悪くないかぎり合格できるだろうと言えるくらいの実力を身につけるための必要時間)

で、自身の結論を言うと宅建の難易度は他の3つの資格と比べて1.5倍くらいです。

1.5倍というのは…宅建+「宅建と全く同じレベル資格」の2つを合格するのと「簿記2級」「基本情報」「FP2級」の3つをとるのがちょうど同じくらいの労力かな…と感じるのがその理由です。なおこの3つの資格はだいたい同じくらいの難易度に感じています。

(この囲みは無駄に長いのでヒマな人以外は飛ばしてください。笑)
あまり需要はないかと思いますが、一応上記表「必要勉強時間」について補足しておきます。
■まず「宅建」について。1年目は200時間の勉強で1点足りずに落ちました。2年目はさらに100時間勉強して合格点+7点という無駄に高得点を取ってしまいました。実際40点(8割)は取れると思えるくらい仕上げました。ということで50時間は削っても十分受かっていただろうということで250時間

■次に「日商簿記2級」について。勉強期間は1か月未満という短期間でしたのでほぼ正確に算出できています。予備知識ゼロでスタートし、日商簿記3級の内容に約30時間、2級の内容に約70時間かかっています。
ちなみに1回で奇跡の合格をしました。なぜ奇跡かと言うと自分で過去問を使って模擬試験を複数回やってみましたが一度も合格点に達することなく、(7割で合格なのですが、6割取れるか取れないかくらいでした)本試験を受けたのに合格してしまったからです。しかも過去20回の中でも5指に入るほど合格率が低い回だったのにも関わらずです。(簿記2級は合格点が70点と決まっているので合格率の変動が激しい)長々書きましたが、完全に実力不足にも関わらず問題との相性がよかっただけで受かっただけです。このことから客観的に必要だった時間はおよそ150時間程度(プラス50時間)と推定しています。
■最後に、「基本情報処理」と「FP2級」の時間はかなり適当です。というのはこの2つに関してはある程度予備知識的なものがあり、初めからある程度は得点できる感じだったからです。
両試験とも1回目の受験は両方とも1問分足りずに落ちています(←基本情報は午後)。しかもFP2級に関しては2回目も合格点ちょうどというギリギリっぷりでした…汗。なお、どちらも体系的に理解しておらず、断片的な知識と得意な部分のみで得点してしまいました。なので何を聞かれているのかすらわからない…という部分もあるような状態でした…汗。本来基礎からしっかり理解して学ぶとすればまだまだかなり時間を要するはずだと思います。というわけでプラス50時間を出しました。※なお表にのせておいてこんなことを書くのもあれですが、「基本情報処理」とか情報処理系の資格はその人がIT分野にどれくらい造詣があるかで難しさの変動がありすぎるのであまり比較しない方がよいと思っています…。




閑話休題。調べてみると宅建の難しさについて以下のような情報が散見されたので自分の意見を書いておこうと思います。

「宅建の難易度は簿記2級やFP2級と同じくらい」という意見について

すでに述べましたが、どう考えても宅建の方が難しいと思います。

ただし、ものすごく大きなくくりで考えるなら同じくらいと言えなくはないでしょう。(例:「司法試験」をレベル5だとすると「宅建」と「簿記2級」はレベル2とか…そのくらいざっくりした分け方なら同じくらいと言えなくはない…。)

「他の国家資格と比べてカンタン」という意見について

管理人は中小企業診断士試験も合格していますが、宅建の3~4倍くらいの難しさでした。また同じ法律系の行政書士も受験はしていないものの勉強をしかけたことがあります。行政書士試験の方がもちろん内容は難しいですし、合格率も一桁の年がほとんどです。

なので宅建が他の国家資格と比べるとカンタンとかって言われるのには納得はできます。

でも宅建はカンタンじゃないです。きっちり準備せずにナメてかかるとまず受かりません

かと言って難しすぎるわけでもないので、勉強が苦手っていう人も積極的にチャレンジできるレベルです。

「宅建はだれでも取れる」という意見について

特に勉強が得意であるとか地頭の良さとかは必要ないと思います。むしろ努力できるかどうかがすべてです。

毎日2時間程度ぼっーとテレビみたり、ネットサーフィンしてしまう時間があるという方なら半年間その時間をしっかり勉強に当てれば合格できると思います。そしてそれができない(手を抜いてしまう)から落ちるんです…笑

またそこまで時間に余裕がなくても、本気で通勤時間やスキマ時間を活用すれば半年で合格ラインにこぎつけられるはずです。

なのでだれでも取れるって言えばその通りだけど、その努力が誰でもできるわけじゃない…っていうことを心に刻んで勉強頑張りましょう。

宅建の合格率と合格点(合格基準点)

さて、次に合格基準・実績に関する数字を見ていきたいと思います。

まずは公式情報から過去11年分のデータです。

年度申込者数受験者数合格者数合格率合格基準点
292585112093543264415.6%35
282457421984633058915.4%35
272431991949263002815.4%31
262383431920293367017.5%32
252345861863042847015.3%33
242363501911693200016.7%33
232315961885723039116.1%36
222282141865422831115.2%36
212419441955153491817.9%33
202605912094153394616.2%33
192606332096843620317.3%35

一般財団法人 不動産適性取引推進機構HPより引用

あわせて読みたい

宅建試験は50点満点(50問で1問1点)ですが、合格点が決まっていません。上記表からもわかるように合格率がほぼ一定になるように合格基準点が変動します。

まず合格率について

11年間の合格率平均は16.2%です。合格者は6人に1人くらいです。

つまり6人に5人は落ちます。カンタンではないですね。

※ちなみに同じ法律系資格の「行政書士」と比べると宅建の合格率はものすごい安定していると言えます。合格率の変動が激しい試験だと例年なら受かっていたレベルの人がことごとく落ちるなんてこともありますからね…。

その点では準備しやすいですし安心して受験できるのが宅建のありがたいところです。

次に合格点について

11年間の平均の合格点は33.8点です。100点満点だと67点くらい。3分の2はとらないといけません。6割で合格の試験が多い中これは結構ハードルが高いイメージです。ちなみに合格点が高い年で35~36点なので、教材などには7割を目標にしよう!的なことがよく書いてあります。

最初一通り勉強したくらいで過去問を本試験と同じ条件でやると難しく感じるはずです。

管理人の場合、35点合格の年の問題でも30点くらいしか取れずにしばらく足踏みしてしまったのをよく覚えています。あと5点くらいならすぐいけそうって思うんですけどね。そこからしっかり補強を続けないと点がのびないんです…。そこが宅建の難しさ…汗。


宅建の難易度は上がってるってホント?

H27年度から名称が「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」に変更になりました。

管理人はちょうどそこをまたいで受験しています。つまり「取引主任者」最後の試験で不合格、初代「取引士」合格者になりました。(なおもちろん「取引主任者」の時代に合格した人もH27 以降は「取引士」です。)でその当時、士業の仲間入りを果たすことで難易度が上がる?といううわさがありました。

ではその結果は…?

上記の表だと上3行が「取引士」に名称変更後ということになります。確かに3年連続で15%台と合格率が抑えぎみになっています。

その前の8年で考えると、15%台は2回しかでていません。(4年に1回)

これを見る限りは…たしかに難化していますね…。先に6人に1人と書きましたが、ここ3年に限っては計算上6.5人に1人になっています。

ただしまだ3年だけですし、今までも15%台はでているのではっきりしたことはまだ言えないと思います。(特に宅建の場合、合格点付近の1点の層にものすごい人数がいると思われます。合格点を1点変えると%がかなり動いてしまうので結果的に15%台が続いただけなのかもしれないということです。)

管理人としては今後2年くらいの傾向にかなり注目しております。ずっと15%前後を維持するのか、一度16~17%台に回復させてだましだましまた下げるのか、一気に13~14%台に突入していってしまうのかはわかりません。(※ちなみに14%だと7人に1人しか合格できない計算になるのでこうなるとはっきりキビシイ…ですね)

ただより難化が進む可能性はある以上、今年か来年かで迷っているなら1年でも早く本気で受験をする方が得策だとは思います。

※(ちなみに…)宅建試験について顕著にわかる変化は、合格率より問題の傾向です。昔の問題(10~15年前くらい)は丸暗記だけでもかなりいけそう、というかどれだけ覚えたかが勝負!な感じですが、近年は変わってきています。しかもどんどんその傾向ははっきりしてきています。この点は勉強する上で大事なので別記事にしたいと思っています。

受験に至らない脱落者がこんなにいる!

さて、最後にせっかく上で過去11年分のデータを引用したので、脱落者の話をしたいと思います。

なんとなんと!申し込みをしたのに受験しない方が11年間でのべ50万人以上。平均で毎年47067人もいらっしゃいます。割合で言うと21%以上5人に1人以上。→まさかの合格者の割合より多いです!!

用事があってどうしてもの人ももちろんいるでしょうけど。

おそらく勉強で挫折した…あるいはどう考えても合格はありえないと判断して受験会場に行くこともしなかった人が大半だと思います。

そう、宅建は試験会場についた時点ですでに上位8割には入っているのです。それくらい勉強を続けるのが難しい試験です

せっかく申し込んだんですから、がんばって最後まで勉強して受験される方が増えることを願っております。


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