二次試験の関連書籍と言えば、
事例Ⅰ:岩崎尚人氏
事例Ⅱ:岩崎邦彦氏
事例Ⅲ:エリヤフ・ゴールドラット氏
ということで、二次試験1か月前くらいにこの御三方の本はチェックしました。
このうち岩崎尚人氏の書籍(共著)は一冊だけパラパラと目を通しましたが、(「新経営戦略論」という本です)組織デザインの説明などまさに一次試験用知識という感じで教科書的でした。
というわけで、ここでは他のお二方の本について紹介したいと思います。結論から言うとかなりおすすめです。
岩崎邦彦氏:「小が大を超えるマーケティングの法則」
(同氏の「スモールビジネスマーケティング」も読みましたが内容としてはこの2冊かなり近いです。
違いは、「スモールビジネスマーケティング」のほうは横書きで短いといったところ。時間がないけど読破したいという方にはいいかも。
2次対策としてどちらか読めばOKだと思いますが、どちらか一冊とすれば「小が大を・・」を推します。)
この本、まさに事例Ⅱのための本と言ってもいいです。もちろん小規模事業者のために書かれた本なので経営者の方にもおすすめです。
具体的に頭に残った点はたくさんありますが、いくつか挙げるなら…
- 消費者は「価値」を買っている(「何」を売るではなく「なぜ」)
- 大企業では出せない個性を求める顧客に応える(小規模店の存在意義)
- シンボルの威力(旅行先でなぜか選ばれるシンガポール・・・)
- 売ってからが始まり(リピーター化のコツ)
- 口コミの威力は絶大だがコントロールもできる
マーケティング関連の書籍はたくさんある中、この本の特徴を挙げるならば…
- 実験やアンケート結果に基づいており、統計的な根拠がしっかりしている
- 例示や比喩、図解が多く飽きない
- 平易な言葉でわかりやすい
マーケティングの勉強というよりむしろ文の書き方や説明の仕方、ひきつけ方などの勉強になるほどです。この本自体が筆者の学者としての強みを生かして差別化されているお手本になっています。
また、個人的にちょっとした小ネタをさらっと入れているユーモアが好きです。
エリヤフ・ゴールドラット氏:「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」
原作版も読みたかったですが、試験までの残り時間を考えマンガ版にしました。
ストーリーは…
3か月で経営を立て直さなければ工場閉鎖、従業員も解雇になってしまうと宣告された所長が主人公。
悩んでいる主人公はたまたま再会した物理学の先生に相談する。
するとその先生は3つの質問をし、その答えを聞いただけで工場が危機的状況であることを見抜く。
その3つが工場立て直しのカギになり、・・・
主人公は子供たちから考えのヒントを得るなど話は家庭とリンクして進んでいきます。そのおかげで身近な例から読者もイメージが持てるように工夫されています。日本のビジネス書だと仕事と家庭はたいてい切り離されているので文化の違いを感じました。
事例Ⅲへの効果としては…
- 工場で働いたことがなくても、全体最適や工場の流れなど自分なりのイメージを持つことができた
- 在庫を削減すること、ボトルネック対処の大切さを頭に刻みつけられた
※ちなみに「ゴール2」というのもありまして、こちらのマンガ版も気になって読んでしまいました。
こちらは正直おすすめできません。ストーリーはザ・ゴールの続きなんですが、こちらは問題を「思考プロセス」で解決しようというもの。
まず事例Ⅲとは関係ないし、その思考プロセスも実践するには複雑すぎます。理屈は完璧でしすが、いかにも学者らしいスキのないやり方になってしまっているというか・・・。これならマッキンゼーの方がわかりやすくスピード感もあり実戦的かなと思ってしまいます。
まとめ
いずれの書籍も、読み終わった後事例ごとの目指すべき方向性がはっきりと脳のどこかに残る感じになりました。
漫然と過去問をこなしているとつい小手先のテクニックなど細かいところに注意がいきがちですが、これらの書籍から解答の土台をしっかりと持つことの大切さを教えてもらえました。
それからこれらの本を読んだ後の意外な効果として与件文をよく読むようになった気がします。実際にリアルなイメージを持って、必死に読むようになったというか。
たぶん、自分の中の軸がしっかりしたから+それぞれの事情に向き合うためには現状を把握することが何より大切だと認識し直したからだと思います。
そのおかげで重要な流れやキーワードを見落とすことがなくなり、題意をはずす大事故を起こすことがほとんどなくなりました。
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