中小企業診断士二次試験で心がけたらグッと点数が伸びたコツ15

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診断士二次試験で心がけたこと、方針をまとめてみました。これを心がけたら自己採点でもぐんぐん点が伸びたよ、というものです。

本試験は事例Ⅳは40点台で危うく足切りになりそうでしたが、事例Ⅰ~Ⅲはすべて60点台後半が取れましたのでそちらメインのお話になります。

15コというボリュームになってしまいました。
当たり前のことから、自己流なことまで混在している感じです。
目次

1.まずは「なにがなんでも与件文から」

最初のうちは自分で答えを考えてしまいがちでした。

修正として、答えそのものはもちろん根拠は必ず与件文から持ってくる習慣をつけることをスタートとしました。

スタディングの二次試験対策はロジックを重視しているのでその練習にはもってこいでした。とりあえず与件文の中から答えの関連部分に色を塗って余さず拾い上げていくような方式。

ただスタディングはロジックにこだわりすぎているので「ふぞろい」流キーワード採点をしてみると点が伸びません。

多面的にすることでのリスクヘッジもできない。しかも限られた時間では難しいやり方、ということで本番には使いませんでした。

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最初は必要な箇所を拾い上げることが驚くほどできていませんでした。
なにがなんでも与件文から答えを見つけようとすることが第一歩。書きたいことがたくさんでどう圧縮するか、どう切り分けて取捨するか、くらいになるまではこれに集中しよう。

2.2つ以上の教材(方針)に触れる

二次試験の教材はいろいろありますが、必ず2つ以上の方針に触れたほうがいいと思います。

私の場合はスタディングと「ふぞろい」シリーズでした。

結果としてベースにしたのは「ふぞろい」が90%以上という感じだったのですが、最初に10%でもスタディングからエッセンスをもらえたのはよかったです。

スタディングのおかげで与件文への向き合い方がわかりました。またロジカルに、きれいに整えて答えるのは自分には無理だということを悟れたので方針に迷いがなくなりました。

早い段階で、模範解答に疑いを持つことも覚えたほうがいいと思います。そうでないと試験直前期にはじめて違うエッセンスに触れてブレブレになる恐れあり。理想は、違う答え方を考えられるくらいの視野を持ちつつ自分の方針で行くこと。

もう一つはどんな教材にも「副作用」的な働きがあると思うからです。

例えば、「ふぞろい」の副作用はキーワード戦略が強すぎて、もし社長との実際の問答だとしたら薄っぺらく散漫になりそうなこと。他の解答との一貫性なども考えないのでプレゼンやレポートだとしたらいまいちになりそう。

できるだけメイン教材と違う方針の教材に触れてみることで、副作用に気づき影響を小さくできるかもしれません。
二次筆記対策としてもそうですが、その後の二次面接対策実務補修対策まで考えてみると、複数の教材に触れておいたほうがよいと感じます。

3.一読目は答え探しはしない

80分という限られた時間の試験。どうしてもはじめから答え探しをしたくなります。

でも一回目に読むときは答えは探さないほうがいいと思います。

答えがこの変にあるというアタリをつけるのはいいですが、読みながら「どう答えるか」は考えないということです。

どう答えるかを考えはじめた途端、バイアスがかかったような感じでしっかりと読み取れなくなってしまう(模範解答と比べてポイントを拾い損ねている)のを感じたからです。

そこでまずはとにかく読んで把握することだけに集中するようにしました。

特に私の場合マルチタスクで集中するのが苦手なので、、、器用にできる人はいいと思いますが。
まずは社長の話を傾聴するイメージで。

各問が以下のどれに当たるかなどは最初にしっかり把握しておくとよいとは思います。答えの場所にアタリをつけていきやすいので。

  1. 社長のビジョン・想い
  2. SWOT
  3. ドメイン(誰に、何を、どのように)
  4. 戦略立案(成長、競争)
  5. 機能別戦略

4.過去問に始まり過去問に終わる

二次定番の「全知識」「全ノウハウ」などは頻出用語、編み出された成功・失敗体験なども詰まっていますが、勉強の序盤からそれらを読んでもあまり意味がないと感じました。

必要とされる知識の種類と量、活用方法が見えるようになるには自分で過去問に当たってみるしかありません。

完全ではない模範解答を見て試行錯誤する過程も必須で、そのほうが何倍もはやくコツが見えてくると思います。

知識と切り口の補充(「全知全ノウ」)はそのあと必要を感じてからやったほうが効率がいいし、身になります。
だから時間を見つけたら何はともあれ過去問を解くこと。

5.キーワード採点は美人投票的に考える

美人投票(美人コンテスト)とは投資家の行動パターンに関するケインズのたとえ話。自分の好みではなく平均的に美人と思う人に投票すべし。

「ふぞろい」流のキーワード作戦で行く場合、合格者みんなが書きそうなことを書くのが大事です。

ランクA(60点以上)の人の答案を書けるようになりたければ、「ふぞろい」本のA評価の答案をたくさん見る。

うまく説明できませんが、何となくランクAの人だったらこう書きそうだなというのが見えてくるようになりました。
なるほど、わからん。

6.とにかく多面的に(点数は積み上げるイメージ)

これも「ふぞろい」流ですが、「具体策」「実現方法」などはいくらでも増やせるので、短いキーワードでたくさん列挙する作戦で行きました。また例えば事例Ⅰの場合当然組織・戦略・人事の視点を最優先で考えますが、それに固執せず他の視点も柔軟に持つようにしました。

泥臭く1点でも多く積み上げていくイメージです。時間制限とプレッシャーのある本番では確実に実践できることが大事。華麗さや鋭さは必要ありません。

最善手はいらないので勝ちやすい方法(負けにくい方法)を選ぶ感じです。
無理して一か所を掘り下げてそれが勘違いだったら終わりってことね。

ちなみに私がメイン教材にしていたスタディングの模範解答を「ふぞろい」流で採点してみるとだいたい70点台半ば~後半くらいでした。

  • 1点2点のポイントに切り込む感じが解答の「多面性」という面では不安
  • 一文にたくさんの要素をうまく入れ込むため時間がかかる

きれいに決まれば高得点でしょうが時間がシビアな一発勝負の試験では危険すぎます。

やはり多少粗削りでもボールを多く投げるほうが、文章構成に時間を取られなくていいと感じます。

7.「思いつかなかった」を無くす

過去問解答を見たときに、「それは思いつかなかった」というのがあったらまずいです。これは頭の中から知識が出てこなかったということではなく、切り口を思いつかなかったということです。

思いつかなかった→考える方向性の間違い、視野の狭さ

過去問演習での例:事例Ⅲ(生産・技術)で「経営資源に着目して答えよ」→この意味を生産・技術面だけで捉えてしまい営業面を見落としてしまう、ということがありました。

二次試験では一問でも大きく題意を外してしまうことが最も怖いです。そこまでいかなくても上の例のように半分まるまる落とすなどは痛いです。

これを無くすには過去問演習と「全知全ノウ」。

逆にすべてのポイントを見落とさなければ、文が整っていなくても合格点前後は確保できるはず。
知識を思い出せないことやキーワードを拾えないことより切り口でミスしないことがより大切。

また私の場合設問の中の考慮すべき点・踏まえる点などが抜けやすいので注意していました。「…変化を踏まえて…(答えよ)」「…特性を考慮して…(述べよ)」などを見落とさない・軽視しないように。

8.SWOT分析はしない(何かを捨てる)

私はSWOT分析はしない方針にしていました。

限られた時間の試験ですので、SWOTに限らず自分がやらなくてもいいと思ったことはばっさり捨てるというのもアリかと思います。

費用(時間)対効果で柔軟に取り組み方を変えていく、自分に合う合わないは自分で決めるというのも時には必要かと。
SWOTについては別記事で(本記事と少し内容が重複していますが)。
あわせて読みたい
【SWOT分析ゼロで合格しました】中小企業診断士二次試験でSWOT分析より大事なこと 私は2次試験でSWOT分析は全くしませんでした。その作戦で事例Ⅰ~Ⅲですべて60点台後半をとれたのでそれについて書いてみようと思います。 再現答案です▼ https://xn--...

9.文字数のバランスは古い過去問から学べる(かも)

近年の問題の傾向として解答欄の文字数が多くなってきているというのがあります。140文字、160文字、200文字で答えよなどが多いです。

ところが昔の過去問(平成22年とかそれくらい)を見ると「原因を20文字×2、対策を40文字×2で答えよ」などが多かったです。

つまり最近のはこれ↑をまとめて一つの解答欄にしている、と推測できます。

ということで私は、(採点基準そのものは変わっていないとすると)昔の解答欄の文字数は参考になるかも、と考えました。

上の例で言えば、

  • 原因は簡潔におさめて、対策を2倍の文字量で書く
  • 120文字なら原因・対策セットで2つ挙げることが想定?
  • 200文字なら論点を3つ以上挙げることを想定?

一応そう思ってやってみると、原因・対策・具体例の文量バランスとかそれっぽくなりました。

例:「施策+効果」「施策+狙い」などの場合、施策を圧縮して効果を長めにする。このほうがキーワード採点的にも伸びやすく、文のバランスが自然に良くなるためか説得力も増す感じです。また書き始めの前半は意識しないと無駄が多くなりがちなのでそれを修正する意味でもよい意識づけになった気がします。

複数の要素を多くの文字で答えることに迷いを感じているなら、古い過去問を眺めてみる価値はあるかも!?
あくまで素人の推測ね

10.下書きはしない

私は下書きという下書き(そのまま解答欄に書き写せるくらいの文)はしない方針で臨みました。どうしても2回同じことを記述する感じでロスを感じるのと、単純に間に合わないからです。

で、下書きより一歩手前の論点を整理するメモ(といっても汚い)に時間をかけるほうがいいと思いました。下書きなしは、文のきれいさや論理性を重視しない「キーワード作戦」だからこそ取りやすい戦法です。

論点を整理しただけの走り書きメモ状態から記入を始めても

  1. 各論点に使える文字数をざっくりと見積もって書き始められる
  2. 途中解答欄の残りから調整もできる

くらいまで練習を積むことが大事だと思います。

言い換えると、この練習を積むほうが下書きをばっちり仕上げられるほどのスピードを身につけるよりは簡単ということでもあります。

ポイントを拾いあげることのほうが整えることよりも点数に直結するということね。
うむうむ

11.下書きする場合は5文字区切りが便利

下書きしないんじゃないのかい!?
する場合の話です。

皆さんどうやって解答欄記入前に文字数をカウントしているのかわかりませんが、私は下書きしていた時は2種類の方法を試しました。

  1. 5文字区切りのメモ帳(原稿用紙)的なレイアウトを作ってしっかり下書き。
  2. 適当な走り書きメモで書いて後から5文字単位で区切る下書き。

後者を選んだのはそのほうがキーワードの削除や追加などがやりやすいから。あとはいかにも下書きという状態にしなくてもよいから。

問題用紙の隅に実際に五文字区切りにしたメモ。

こんな感じで5文字で縦線とか斜め線入れてました。
汚い字

先述のように最終的に下書きはしない方針を固めました。が、下書きをしていた時に感じたメリットは以下です。

  • 文にはなっていないキーワード+αくらいの状態でも5文字ごとにざくざくカウントできるので文字数でミスることない
  • 箇条書き解答などの場合は①は20文字②は30文字くらいなどざっくりカウントすることで量のバランスが取りやすい。

12.判断が割れる問題に悩まない

たまに予備校の解答ですら判断がはっきり割れるような問題というのがあります。

解答の方向性が根本的に真っ二つに分かれるようなもの。あとは「投資するべき・しないべき」みたいな問題でどちらも解釈がありそう、とか。

過去問や問題集を学習していてこういうのがあったら深入りは禁物です。

どちらでも正解、だからどちらかにたどり着ければOK。と考えるようにしていました。

それについてあれこれ議論や分析は時間の無駄。勉強会で討論とか遠回り以外の何物でもないです。勉強のための勉強をしているわけじゃないので。でも合格前から人脈を作りたい場合は別。

「ふぞろい」の事例Ⅰなどはあいまいさを学ぶよい教材と思います。
そもそもあいまいな試験なのね、ってことを早めに悟るべし?

切り分けの難しさ

特に事例Ⅲは切り分けが難しい問題(特に1問目と2問目が重複しているように感じる)が多いイメージです。もっと言うと切り分けの難しさで難度を保っている感じ?→はっきり切り分けできたら全体的に簡単な科目だと感じるから。

個人的に印象に残っている過去問ではH27年の事例Ⅲ。まだあまり勉強していなかった時期に見たので切り分けがよくわかりませんでした。結局そこで悩んで時間切れ。公式の出題主旨を見てもあいまいではっきりはしない感じ。

で、出した結論:このあいまいさこそが二次試験。みんなわからないはずなのでとりあえずあまり切り分けようとしなくてよい。どちらの問題でも半分以上は得点できるように重複など気にせずキーワードを積み上げる。切り分けに悩む=書ける要素はたくさんあるということだから時間をかけず早く処理する。その浮かせた時間を後半の問題に使う。

13.過去問は本番の「時刻」でやる(リアルな練習)

私は時計の針を本試験に合わせてリアルにイメージしてやっていました。できるだけ本試験と同じような感じを出して練習するのが大事だからです。

実際ここまでしなくてもいいと思いますが、環境についてもできることをできるだけやるのは大事です。

時計の針以外でも図書館のような場所でやってみるとか、本番同様の解答用紙をしっかり準備するとかいろいろあります。私の場合セルフ二次試験をやった翌日は疲労で頭痛などもあったため、本番の大変さを事前に感じました。これにより本番直前期は体調を万全に保つことも計画に含めることにしました。

本番のように練習を、練習のように本番を、的な。
環境変化に弱い人は特に

14.残り勉強時間を計画的に

二次試験の勉強計画はとにかく過去問演習、過去問演習。

事例Ⅳは別途計算など特訓するほうがいいですが、事例Ⅰ~Ⅲは過去問→解答例との比較を繰り返すのが一番。というかほぼそれのみ。

ですので残り勉強時間であと何回分の過去問ができるかをあらかじめ計算しておくことが大事です。

机に座れる時間、まとまった時間は優先してこれに当てるようにします。最悪答え合わせや検討は後回しでもいいので80分を1単位として確保します。

復習やテキストに目を通したりや全知全ノウでの補完などは全部スキマ時間や移動時間でできます。

大事なのは、まとまった集中できる時間を細かいことで消費しないこと。
細かいことやり始めるとどんどんまとまった時間なくなるからね。

また学習の序中盤は自分の現状を事例別にイメージしておくようにしていました。こうすることで残り時間で主に何を補完していけばいいかわかるように。

私の実例)自分用メモなので自分しかわからない書き方ですが…

課題、問の傾向 対策
事例Ⅰ もっと多面的にとらえる 全知で関連キーワードを想起できるように
「要因」とくれば… それをどう生かしたか結果まで書く。
「施策」とくれば… もっと具体的に。対象・効果など因果を明確に。
全体的に得点力の向上 効果などまでセットで書く習慣
事例Ⅱ もっと長所に乗っかることで得点力アップを 弱みは避けてとにかく長所に着眼する
メリットと効果の問いへの対応力強化。 製品アイテムとライン。ネット戦略の種類。
事例Ⅲ 対策と効果 効果をセットにし、しっかり書く意識。
文章構成がうまくいかない。 あらかじめ文の構成を決めておく。型を持つこと。
題意ずれがある。 最初に題意を外さないように慎重に切り分けを。
「具体的に」 どこまで踏み込むか、ふぞろいの模範解答などでさじ加減を把握
事例Ⅳ 指標計算、CVP 計算問題集で練習あるのみ
他全部 根本的な知識と練習不足。今後の最優先予定。

15.悩むなら受かってから悩む

こんなに苦労して診断士になってもいいことがない(役に立たない)かも…、勉強間に合わなそう・もっと早く勉強しておけばよかった…など余計なマイナスの思考が来たら以下をおまじないとして思い出すようにしていました。

悩むなら なってから悩みなさい。-宇宙兄弟(金子シャロン)

診断士の場合難易度の割に独占業務がないということがネックとして挙げられます。→でも逆の見方をすると診断士ほど役に立つ知識を幅広く得られる資格は他にない仮に落ちても勉強したことは無駄にならないという点では断トツな資格、ということを思い出すようにしていました。

あとは合格したい、落ちたくないというのもある意味集中を欠く邪念です。→そんなことを思う暇があったら目の前の一問、一語に集中せよ、と自分に言い聞かせるようにしていました。

間に合わなそう・もっと早くやっておけばよかった。→後悔が一切ない人などほぼいないので、現時点からやれる範囲で計画しなおして最大限実行あるのみ

反対に受かったら…って考えるのはどうなの?
悪くないけど、捕らぬ狸の皮算用的な妄想をする暇があったら、目の前の試験に集中するべし。

まとめ

  1. まずは「なにがなんでも与件文から」
  2. 2つ以上の教材(方針)に触れる
  3. 一読目は答え探しはしない
  4. 過去問に始まり過去問に終わる
  5. キーワード採点は美人投票的に考える
  6. とにかく多面的に(点数は積み上げるイメージ)
  7. 「思いつかなかった」を無くす
  8. SWOT分析はしない(何かを捨てる)
  9. 文字数のバランスは古い過去問から学べる(かも)
  10. 下書きはしない
  11. 下書きする場合は5文字区切りが便利
  12. 判断が割れる問題に悩まない
  13. 過去問は本番の「時刻」でやる(リアルな練習)
  14. 残り勉強時間を計画的に
  15. 悩むなら受かってから悩む
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