中小企業診断士試験の一般的な難易度評価と合格して感じる難易度

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中小企業診断士の難易度とはどのくらいなのでしょうか。

この記事では一般的に言われる難易度と実際に受験して感じた点をまとめています。
目次

中小企業診断士は一般的に難関とされる国家資格

まずはよく知られている他の資格との比較です。中小企業診断士は社労士より少し難しい、あるいは同程度と言われることが多いです。

司法試験や公認会計士といった超難関になるとそれに専念しければなりませんが、そこまではいきません。おそらく社会人が働きながら勉強して取得できる限界のレベルでしょう。

それだけにこの資格を取得した時のステータス、価値は小さくありません

また資格としての価値だけでなく、学んだ内容はどんな職種・業界でも活かすことができると思います。

受験・合格して感じる難易度

さて合格者として難しさについて個人的な意見を補足します。

まず個人的に合格している他資格と比べると少なくとも簿記2級の5倍以上、宅建の3~4倍くらいの労力はかかる感じがします。

また簿記や宅建などの試験は万全の対策をすればまず合格は間違いないと言い切れますが、診断士試験はベストを尽くしても運次第では落ちるときは落ちます、たぶん。

一次はなにしろ範囲が広いですし、苦手科目の難易度が高い年に当たれば足きりにあうかもしれません。また二次はマークシートではなく記述式および計算問題ですし、一つ大きくつまづくとそれが命取りになるほどシビアな試験だからです。

実際勉強も本試験も本当に厳しい戦いでした。
仕事を辞めて専念するまでの超難関ではありませんが、仕事以外の時間をすべてつぎ込むくらいの覚悟がないとだめだと思います。
合格を確認した時はうれしすぎて部屋でひとりガッツポーズをして叫んだあと、ベットにダイブしました。

診断士試験が難関である理由

合格率の低さ

以下は中小企業診断士協会が発表している5年分のデータをまとめたものです。
1次試験 2次試験 ストレート

合格率

年度 受験者※ 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
25 14252 3094 21.7% 4907 910 18.5% 4.0%
26 13805 3207 23.2% 4885 1185 24.3% 5.6%
27 13186 3426 26.0% 4941 944 19.2% 5.0%
28 13605 2404 17.7% 4394 842 19.2% 3.4%
29 14343 3106 21.7% 4279 828 19.4% 4.2%
平均 13838 3047 22.0% 4681 942 20.1% 4.4%

※一次試験の受験者数は7科目全部を受験した人数です。

 

中小企業診断士試験は一次試験合格者に二次試験の受験資格が与えられるというシステムになっています。およそ5人に1人しか合格できない一次を突破した中からさらに5人に1人しか最終合格できません。

つまり一年で一次と二次の両方を突破するストレート合格率はおよそ4%とかなり低いです。

よく比較される他資格の合格率は、行政書士はおよそ10%程度、社労士は近年変動が大きいですが7~8%程度です。

 

とはいえ数年かけてもよい

ただこれはあくまで一年で合格できる確率なので、この数字に必要以上に恐れをなすことはありません。診断士試験には多年度にわたって着実に合格に近づけるように様々な仕組みが用意されているからです。

まず一次試験(7科目)には科目合格という仕組みがあります。6割以上取れた科目については翌年以降の試験で免除にできるという制度です。(免除の活用方法や何年持ち越せるかといったことは少し複雑なので詳しい説明はここでは省略します。)

また二次試験(4科目)には科目合格という仕組みはないですが、一次試験合格後2年間にわたり受験資格が与えられます。つまり一次試験合格の年に二次で落ちてしまっても、翌年は一次試験を受けずに二次の受験ができるということです。

さらに一次試験を突破したあと養成課程を受講することで二次試験を免除にできるという制度もあります。

これら種々の要素があるので必要以上に難しく捉えることはありません。

 

試験範囲が広い(特に一次試験)

診断士一次試験はマークシート方式ですが7科目という広範囲に及びます。

これが診断士試験の難易度が高くなっている理由の一つです。

<一次試験概要>

科目 時間 配点
1日目 経済学・経済政策 60分 100点
財務・会計 60分 100点
企業経営理論 90分 100点
運営管理 90分 100点
2日目 経営法務 60分 100点
経営情報システム 60分 100点
中小企業経営・政策 90分 100点

※700点満点中420点で合格となりますが、40点未満の科目があると足きりで不合格となります。また総得点で不合格でも6割以上得点した科目については科目合格となります。

 

もっとも範囲は広いですが勉強内容そのものはそれほど難しくはないです。もちろんある程度は深いですが高い専門性や詳細な暗記は必要ありません。また高度な思考が求められるわけでもありません。

それでも苦手科目の足きりを回避し、総合計で及第点に達する、ということが難しいのです。
一次試験もきつくて終わった直後に夏風邪でダウンするほどでした。

ですから決定的に苦手だと感じる科目がないならかなり有利に戦いを進められます。また専門分野・得意科目がある人はそれがそのままアドバンテージになります。特に財務会計は初学者が最も苦戦する分野ですので、これが専門の人はかなり有利です。

 

二次試験は記述式

二次試験は記述式です。試験は4科目あり、それぞれ事例Ⅰ~Ⅳとして80分で解答していきます。

当然ですがマークシートではないので運まかせにはできません。また知識があっても、与えられた情報を的確に整理し要約して記述する力がないと合格できません。

 

事例I~Ⅲは与えられた与件文から記述式で解答します。

例えば「A社は精密機器の加工を専門とし、創業40年・・・従業員数20人で・・・今後の事業展開は・・・」みたいな感じです。この与件文をもとに4~5問ほどの問いに対してそれぞれ指定された字数(100文字前後。最近は150~200文字程度が多い)で解答を作成していくパターンが多いです。

 

事例Ⅳは財務会計についてなので、計算問題が多くなります。

一次試験を突破した知識があっても対策をしなければほとんど点は取れないと思います。逆にしっかりと対策し練習を積めば事例Ⅰ~Ⅲよりも確実に得点を積み上げることができる科目です。そのため二次試験のかぎは事例Ⅳとも言われます(私は本試験事例Ⅳがボロボロでしたが・・・)。

事例問題と言うと実務で携わっている人が有利で、そうでない人はかなり苦戦しそうに思えますがそうではありません。実務経験がある人よりも学校の勉強(読解)が得意なタイプの方が有利な気がします。事例の内容をしっかり整理して読めば、解答のヒントや方向性はすべて示されているからです。

そのためしっかり過去問演習を行ない自分なりにコツをつかめば、経験や能力に自信がなくても合格を手にすることができます。

二次試験は運もある?

個人的に二次試験は運も少なくない気がします。

自分自身違う問題の年なら落ちていたかもと思いますし、翌年受けて受かる自信もあまりありません。

またもしかしたら採点者の微妙なさじ加減で得点が変わるような気もします。

他試験でも問題との相性など運要素はあると思いますが、中小企業診断士二次というのは合格できるかは運しだいという層がたくさんいるイメージがあります。

受験者層のレベルが比較的高い

私が最初に中小企業診断士資格を具体的に知ったのは、知人の銀行員(営業成績トップらしい)の方が取得しているという話を聞いたからでした。また合格後知り合った診断士の方と名刺交換すると、有名企業の方や社内で高いポストに就いている方が多かったです。

何が言いたいかと言うと受験者(合格者)のレベルが比較的高いということです。

さらに二次試験は一次試験を突破してきた本気の人たちとの勝負になります。

そう考えると見た目の合格率以上の難易度とも言えるかもしれません。

しかしこれらも過大に恐れる必要はありません。

エリート集団が仕事をせずに受験勉強に専念しているなら勝ち目がないかもしれませんが、そうではないからです。能力ではなく自分の時間・リソースをどれだけ試験に割けるかが重要です。

 

取る価値があるか?

ビジネスパーソンの取りたい資格ランキングなどでは常に上位に入る中小企業診断士ですが、実際に取得する価値はあるのでしょうか。

診断士は「食えない」資格として揶揄されることも少なくありません。確かに「取っただけ」では「食えない」のは事実です。

また個人的には中小企業診断士試験に合格はしているものの実務補修を受けていない(正確には資格保持者ではない)です。したがって資格が具体的にどう活用できたかは語れません。

それでも自信を持って言えるのは、この資格の勉強と合格で自分がかなり成長したということです。

具体的には、経営に関わる要素全て幅広く知ることができ、全くわからない・知らない分野というのがなくなりました同じ仕事をしていても見える範囲・視野の広さが圧倒的に広がりました。

さらにベースとして体系的な理解を得ているというのは、今後どんな勉強をしていく上でも自分の幹として役に立ち続けるだろうという確信があります。

そういう意味では仮に落ち続けてあきらめたとしても、まったく無駄だったとは感じなかったと思います。

またこれまで資格取得の勉強をいろいろしましたが、診断士の勉強ほどおもしろいものはありません。興味を持っている方にはぜひチャレンジしてほしい資格として人にお勧めできます(実際勉強を始めるとその量の多さに圧倒されると思うので、勉強時間が確保できそうか、年単位で続けられそうかは真剣に考えてほしいですが)。

 

独学で合格できるか?

最後に独学で合格できるか?ということに少し触れておくと、たぶん難しい!というのが私見です。ここで言う独学というのは書店で売っているテキストなどを活用するパターンです。

私の場合は、スタディングという通信講座を活用しました。やはり音声や動画を活用したインプットは理解・効率の面でもかなりメリットがありました。資金に余裕がある方や地理的条件が整っている方は予備校などに通うようですが、私はお金に余裕がなかったので格安通信講座を活用できてよかったです。

スタディングの特徴

  • オンライン講座の中でも早くから開講(2008年~)しているノウハウ
  • 【時間がなくてもOK】スマホ・PC・タブレットで学べる
  • ビデオ講座がわかりやすい、音声が聴きやすいと評判
  • 問題演習も充実



まとめ

中小企業診断士試験の難易度についてまとめてきました。

  • 一般的に難関とされる国家資格
  • ストレート合格率は約4%
  • 多年度合格を目指せる
  • 一次の試験範囲の広さと二次の記述式が難しさの理由

人の感覚として、試験に一回で受かった場合「そんなに難しくなかった」と感じるものです。

私の場合中小企業診断士試験はストレートで合格できました。が、しかしそれでもとても難しかったと思っています。

運が非常に強かっただけだと謙遜ではなく本当に思っています(実際その年の問題や科目難易度との相性がとてもよかったので)。実力的には1次2次それぞれ1回ずつくらいは落ちて妥当なくらいでした。

ただそれだけに合格できた時の喜びと勉強したことの価値は大きいです。

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