私は2次試験でSWOT分析は全くしませんでした。その作戦で事例Ⅰ~Ⅲですべて60点台後半をとれたのでそれについて書いてみようと思います。
再現答案です▼
まず与件文を素直に把握することに集中する
たしか聖書に「聞かないうちに返事をするのは愚か」みたいな格言があった気がします。ふだんほとんど実践できていないなあと思います。まだその人の背景やなぜそう言っているのかを把握できていないのに、こちらの視点で話を進めてしまったり・・・。
ということで二次試験では私はとにかく与件文を余さず「聞く」こと、真剣に自分の身になって「聴く」ことを心掛けました。
読みながらどう答えるか考えてしまいそうになりますが、ぐっと我慢します。
どこが話のポイントか、答えのポイントになりそうかはもちろんチェックしますが、まだどう書くかは一切考えないということです。それを考え始めてしまってはそこからバイアスがかかり、つい自分が答えやすいように加工しはじめてしまうからです。
診断となると、つい分析してやろう、自分の鋭い視点を発揮してやろう、という姿勢になってしまいやすいです。また時間が限られている試験ですからつい答えを焦ってしまいます。
分析よりもしっかり読み取ることの方が得点になる
インプットする→分析する→アウトプットする
この流れの最初の段階ほどしっかりやろうということです。こう心掛けた理由の一つは後の2工程には全く自信がないから、というのもありました。
ただもう一つの重要な理由としてこの流れの最初にいくほど得点への影響が大きいと思ったからです。
例え部分的に鋭い分析を入れようが、きれいにまとめて書こうが、事例企業のポイントを1個外してしまったら全部パーです。逆に全部のポイントさえ拾えれば、あるいは一番重要な点がどこかさえ押さえられれば分析力とアウトプット力が低めでも十分合格圏を狙えます。
というのは過去問をやっていて50点くらいしか取れない(「ふぞろい」というシリーズ流の自己採点です…重要キーワードをどれだけ入れられるか。)時は、キーワード不足など細かい失点が重なるよりも、1問思いっきり題意を外してしまったり大きなポイントを外してしまうことの方が原因として多かったからです。
SWOTは完璧じゃないし、時間もかかる
SWOTをやらなかった最大の理由は、ざっと書くだけでもけっこう時間を消費してしまうということ。その割に書き出した効果は低いこと。
与件文が難解なら整理も必要でしょうが、そうではないので余計なフィルターはかけなくていいやということです。
時間がたっぷりあれば完璧な分析もできるでしょう。ただ時間が限られている中で中途半端にSWOTの整理を行なうと逆効果になる場合も多くなりそうだと感じました。
そもそも与件文の社長は全部わかっている
仮に与件文の内容を事例企業の社長がしゃべっているとすると、その社長は全てわかっています。
また与件文は頭が混乱している人の話みたいになっているわけでもありません。たまにわざとポイントを散りばめているような感じもありますが、脈絡なく話が飛んでいるということは絶対ないです。
というようなことを考えると、分析できている社長の整理された話を真剣に聴けばわざわざ分析しなくてもいいはずです。Sのポイント、Oのポイントといったことはその重要度に応じて自然に頭に入ってくるはずです。
というわけでもう自分でどうしたいか決めている人の話を「相談」という形で聴くときのようなイメージで取り組みました。カウンセリングとかミラーリングとかの本に出てきそうな感じのことを紙面でやろうとした感じです。
まとめ
私は2次試験の勉強に取り組む際、最初は身構えてしまっていました。コンサルタントのイメージが鋭い指摘とか斬新な提案とかだったからです。
でも、上記のようにとにかく真剣に状況を把握することに注力しようとしてからは、いろいろな意味で楽になりました。
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