この記事では私が中小企業診断士試験の勉強をする上で役に立った関連資格をまとめておきます。
持っていると受験科目が免除される資格
該当資格は下記表(H29年度時点)です。なおこの表はイメージを知ってもらうためなので、かなり省略してわかりやすくしてあります。本当は「○○試験合格者」や「経済学の教授」などもあり、かなり細かいのでわかりやすいように代表的なものだけを記載します。
科目 | 免除に必要な資格 |
---|---|
経済学・経済政策 | 公認会計士、不動産鑑定士 |
財務・会計 | 公認会計士、税理士 |
経営法務 | 弁護士 |
経営情報システム | 応用情報技術者 |
見てお分かりのように超難関資格ばかりです。科目免除のためにこれらを取得するのは考えられません。
また免除できる人ならば逆にその科目で余分に得点を稼ぐことも可能になるわけですから、免除しない方が得という考え方もあります。
というわけでこの記事では免除のための関連資格ではなく、私が中小企業診断士の勉強をする上でアドバンテージとなった資格(=勉強開始時点で保有していた資格)をまとめています。上記の表からもわかる通り、主に財務会計・情報・法律系の資格ということになります。
ITパスポート
役だった度:
関連科目:「経営情報システム」「企業経営理論」他
ITパスポートの範囲というのは、ほぼぜんぶ中小企業診断士試験の範囲に含まれていて無駄な部分はほぼありません。
情報系の資格なのでまずは「経営情報システム」に直結します。
また意外にもITパスポートは診断士試験の目玉である「企業経営理論」および主要科目「運営管理」とも関係が深いです。また「経営法務」とも関連があります。
この資格は3分野に分かれており、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系となっています。
このうちストラテジ系には企業活動を行うための概念が含まれています。これはちょうど中小企業診断士試験の肝をギュッとカンタンに凝縮した感じです。
私の場合ITパスポートでストラテジ系はしっかりめに勉強していたので、診断士の「企業経営理論」は最初から合格点付近の力がついていました。
逆に言うとITパスポートに合格してもあまり意味ないケースもあると思います。丸暗記で、あるいはストラテジ系をおろそかにして受かったとしても、診断士試験にはメリットはないと思います。
私は西俊明さんの「ITパスポート最速合格術~1000点満点を獲得した勉強法の秘密」で勉強したのですが、全体の概要を押さえるという点でかなりおすすめです。特にITパスポートを受験しなくても、一読するだけで診断士の学習に役立つはずです。
日商簿記検定3級+2級
役立ち度:
関連科目:「財務・会計」
中小企業診断士診断士試験では「財務・会計」が一次、二次試験の両方でとても重要な位置を占めています。
したがって簿記検定の取得は大き目なアドバンテージになります。一次試験は日商簿記2級保持ならその知識だけで解ける問題も数問出ます。(3級の知識だけでは得点に直結することはほとんどないと思いますが。)
そして一番のメリットは「財務・会計」の学習に入る際の基礎がしっかりするということです。多くの人が苦戦するこの科目ですが、勉強の始めは財務諸表と簿記から入ります。そこがスムーズにいくのはやはり大きいです。
ただもちろん「財務・会計」という科目の肝は簿記ではなくその先ですので、簿記検定を持っているからといって楽勝になるわけではありません。
私は日商簿記2級を取得した状態で学習を始めましたが、それでも財務・会計は7科目の中で最も苦戦した科目の1つでした。2級取得後時間が経ってあまり覚えていなかったのとキャッシュフローや経営分析などはじめて学習する部分が多かったからです。
このように勉強には苦戦しましたが、29年度の一次試験では簿記2級関連の内容が多く出題され科目の難易度も易しめでした。ということで個人的には直接メリットのあった関連資格でした。
基本情報処理技術者
役だった度:
関連科目:「経営情報システム」
私の場合「基本情報処理」はギリギリだったので決してITが得意というわけではないです。それでもこのおかげで「経営情報システム」の科目はほとんど勉強しないで済みました。
診断士の経営情報システムと基本情報処理試験の比較
内容を比較すると「基本情報処理」の方はコンピュータの基本的な仕組みやプログラミングにスポットが当たっているのに対し、診断士試験は企業経営でどうITを使うかも多く問われるので、求められる知識の方向は少し違います。
それでも基本情報を持っていれば、ITの基本の仕組み部分はほぼできているということで、あとは企業活動でのWEBやセキュリティ、最近の動向などを補足すればよくなります。
なお個人的な体感ではこの「基本情報処理試験」と診断士科目の「経営情報システム」の難易度は同じくらいです。
ただ診断士試験の方が問題数が少ないですから、たまたま知っている問題が重なるあるいは逆になる確率は高いです。また年度ごとの難易度も診断士試験の方がバラつきが大きいと感じます。
したがって診断士試験の方が内容的にも対策が打ちにくいですし、ハマれば高得点になる一方で確実に点数をとるのは難しいです。(私の場合、模試で70点以上をとったかと思えば40点未満もとるなどかなりバラついていました。)
確実に合格点をとる、という意味でなら診断士試験「経営情報システム」の方が難しいでしょう。
宅地建物取引士
役だった度:
関連科目:「経営法務」
「経営法務」のおそらく1割以下でしょうか。民法の部分が重なっていたので役立ちました。
割合は少ないとはいえ、いや少ないからこそ民法を診断士試験のために勉強するのはかなり困難です。(宅建の民法はそれなりに難しいと言われています。しかし診断士試験で出る民法も宅建と比べて同じくらい難しかったりします。)
私もおそらく診断士試験ではじめて法律を勉強するとしたら、時間との兼ね合いで民法その他の部分は捨てる形になったと思います。
民法は捨ててもいい理由
経営法務のうち民法に関する問題が2問とします。法務は1問4点です。一次試験7科目700点満点中8点分という計算、およそ1%です。
1%はけっこう大きいのですが、民法の問題をしっかり解けるようになるには数十時間の勉強が必要だと思うので個人的には捨ててもいいと思っています。
FP(ファイナンシャルプランナー)
役だった度:
関連科目:「財務・会計」他
2級を持っていますが、診断士の勉強をしていてちょこちょこ関連部分があるなと感じた程度です。
「現在価値」の計算とか、「資産運用」とか。
この資格が診断士試験の勉強に役に立ったかというと・・・「ああ~FPでやったな~これ」と思い出した程度なので、限りなくゼロに近いけど全くゼロではないというのが個人的な見解です。
その他の関連資格
私自身は未取得ですが、他に関連資格として以下がよく言われます。
- ビジネス実務法務検定
- 販売士(リテール・マーケティング検定)
診断士試験のために関連資格を取るべきか
まず試験のために試験を受けるというのは効率がいいとは言えません。
資格試験はその目的がそれぞれ異なるので当然内容も方向性も違います。あくまで診断士試験合格のためということでしたら、他の資格は一切受けない方がいいと思います。
ただ関連資格のうち難易度が低めのものはテキストが懇切丁寧に書いてあるので入門しやすく、基礎を固めるのにはおすすめできます。診断士の講座は範囲が広いためか、けっこう基礎の基礎をさらっと流しているものが多いです。
私のおすすめは「ITパスポート」と「簿記3級」を受験せずにテキストだけ活用することです。すでに述べたようにこの2つは診断士試験と範囲が同じなのでほぼ無駄になりませんから。受験しないので最新情報はいらない=BOOKOFFやメルカリで十分です。
関連資格が多いということの意味
診断士試験は関連資格が多いことからもわかるようにその範囲の広さが大きな特徴です。特に二次試験では頭の中の引き出しから知識を取り出し実例を解決する記述式があるので、体系的に全体を理解していくことが肝になります。
私はスタディング
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中小企業診断士の関連資格まとめ
- ITパスポート
- 日商簿記検定
- 基本情報処理
- 宅地建物取引士
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- ビジネス実務法務検定
- 販売士(リテール・マーケティング検定)
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