私はスタディング (当時は「通勤講座」)という教材を活用して診断士試験にストレート合格できました。一次試験はほとんどこれのみの学習でしたが、二次試験は他の教材を多く活用しました。
この記事ではこういったセット教材に組み合わせるとより学習がスムーズにいきそうな書籍など補助教材について書いておきたいと思います。
簿記3級(余裕があれば2級)テキスト
診断士試験の肝である「財務会計」。私は簿記2級を取得している状態で学習を始めました。それもあってかなんとか大丈夫でしたが、それでも最初は理解が難しかったです。もしまったくの初学だったらかなり講義を繰り返さないと理解が難しかったかもしれません。
というのは「スタディング」はわりと簿記の基礎部分の進行がはやく、さらっと進んでしまう講座だったからです。また他の独学用書籍を見ても同じ傾向があるようです。
ということで初学なら簿記3級関連のテキストを使って簿記の基礎を固めながらの方が、財務会計の学習がスムーズにいくと思います。
※補足:「財務会計」の肝は「簿記」ではありません。肝はあくまで経営判断などに役立てるための分析です。
一方簿記は帳簿つまり分析の元になるものを作成する上でのルールであり前段階とも言えます。おそらくこの理由で診断士のテキストでは簿記の部分はわりとサラッと進みます。しかしこの簿記の流れとか基礎に馴染めていないと中盤以降の学習にも支障が出るということです。
さらに財務会計の近年の出題を見ると、簿記2級の学習が得点に直結する問題も多いです。というわけで余裕があれば2級の勉強もやっておく方が一次試験の得点力アップにつながります。
この財務会計については補助教材も活用する、という考えはけっこうメジャーなのかもしれません。二次の筆記合格後、予備校に通った方・他の教材を使って合格した方と話す機会がありましたが、複数の方が簿記についてはカリキュラムとは別に自分で勉強した、ということでした。
また勉強し始めでありがちな挫折を防ぐという意味も大きいです。簿記の基礎をしっかり理解すること、慣れることは序盤の山場の一つになると思います。
通信にせよ予備校にせよ、「財務会計」の序盤にあるこの簿記の理解が苦しくなったら、いったん日商簿記3級などのテキストで基礎固めに戻ることをおすすめします。
情報処理試験のテキスト
一次試験の中でも意外とネックになりやすいのは「情報システム」だと思います。
年ごとの難易度にムラが大きいという傾向もあります。過去問をやっていてとても簡単な年があった一方、ある程度仕事で情報に携わっている人でも危ういような年もあります。
もし情報システムに関して自分が弱いと思う場合、補助教材で基礎固めをした方が早道かもしれません。おすすめは情報処理試験関連のテキストです。
目安として情報処理試験のうち「基本情報処理」試験の午前問題で合格できるくらいになればだいたい大丈夫かと思います。
ただ個人的にはその下位資格である「ITパスポート」は情報システムだけでなく、企業経営理論など他の科目でもかなり役立つ知識が得られるのでおすすめです。
基本情報処理について個人的におすすめの書籍はこちらです。
ITパスポートについて個人的におすすめの書籍はこちらです。
私は上記2つの試験はそれぞれ紹介した1冊で合格できました。両方ともとっつきやすさとわかりやすさで選びました。
補足:一次対策でやらない方がいいこと
一次試験は範囲が広いので、あれもこれもと知識を補足しているとたいへんです。
以下の部分は自分が弱点に感じていてもやる必要はないと思っています。これらに手を出すくらいなら他の部分に時間をかけるべきです。
科目 | やらなくていいこと | その理由 |
企業経営理論 | 経営や人事の理論などの書籍を読むこと | 1次でも2次でも一つの理論を掘り下げて活用するようなことはまずないので。 |
運営管理 | 生産や売り場に関する書籍を読むこと | そこまでやらなくてもテキストと過去問で十分合格レベルにいけるので。 |
経営法務 | 民法の対策 | 民法の出題は少なく難しいので。費用対効果を考えると捨てた方がいい。 |
経済学 | 応用的な学習 | 出題される問題は基礎的なものが多い。また二次では絶対使わない知識なので。 |
二次試験は複数の教材を使ってみる
私が利用していたスタディング
この考え方に最初に接触できたのは幸運でした。与件文に忠実であることが大切で自分の考えは排除すべきこと、また与件文に無駄な部分がほぼないこと、を教えたもらえたからです。
しかしすぐにその通りに本試験で実行するのは困難なことに気付きました。限られた時間とプレシャーの中では得点が必要以上に伸びなくてもいいので、自分にできそうなやり方で及第点を狙いたいと思いました。
そこで「ふぞろいな合格答案」シリーズを中心に学習を進めました。すると一度も本試験を経験していないにも関わらず自信と手ごたえを感じられるようになりました。
結果的には「スタディング」と「ふぞろい」シリーズの2つに触れたのが一番良かったと思います。もし最初から「ふぞろい」だけを活用していたら、この方針でいいのか?という迷いが生じたと思いますので。
どの教材をメインにするにせよ、二次試験については2つ以上の教材に触れてみるというのは大切と思います。
まとめ
どんな教材を使っていても独学の気概を持つこと、自分で現状を把握し足りないものを主体的に補っていく姿勢が大事です。
診断士試験は範囲が広いですから、こういったセルフマネジメント力も学習の段階から問われているのかもしれません。
以上診断士を目指す方の参考になれば幸いです。
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