資格試験は同じくらいの難易度と言われていても人によって向き不向きがあると思います。
私は運が良かったことを差し引いても、比較的中小企業診断士試験には向いていました。難易度は別として向き不向きだけで言えば簿記や宅建よりも向いていたと感じています。
ここではその理由をまとめてみたいと思います。
掘り下げるより広く学びたい
診断士試験は一次試験が7科目あり学習が広範囲に及びます。これがきついと感じるか、楽しそうと感じるかです。
おそらく受験を考えている人はある程度広く学びたいと思っているでしょうが、その中でも興味がある科目とあまり勉強したくない科目があるかもしれません。
私の場合興味のない科目がなかったというのが最大の強みだったかもしれません。とにかく経営に関わることならどんなことでも学びたい気持ちが強くありました。学習の広さも深さもちょうどよかったです。経営やコンサルに関心のある人なら診断士の内容はかなり楽しいと感じるはずです。
暗記が嫌い。理解重視
診断士と同じくらいの難易度と言われる社労士の場合、細かい暗記がかなり多いようです。私の場合、細かい暗記は嫌い&苦手です。
何かを学ぶときは細かい点はすっとばしてとりあえずポイントを整理しておきたいタイプです。とにかく体系的理解を重視、その点が診断士試験では有利に働いたと思っています。
もちろん覚えるべきことはそれはそれはたくさんあります。ただ診断士試験の場合、丸暗記や語呂合わせが必要なほど細かいことはほぼありません。むしろそういう覚え方・学習の仕方だと合格できないような気がします。
様々な組織での経験
私は経歴は中小企業がほとんどで、もう少しで2ケタになるほど多くの組織に属してきました。
内訳として個人経営、同族経営、大手の子会社、NPO法人、協同組合とさまざまな規模・形態でした。また小規模ですので社長や幹部と直に接して仕事をしてきました。
特に個人経営・(衰退中の)協同組合といった形態も経験しているのは大きかったと思います。強みはあるもののとにかくあらゆるリソースがないという・・・。まさに二次試験に出てきそうな企業にいました。
小さな商店街や家族で営む工場のイメージなどもしやすかったです。もっともイメージがしやすいことと得点を積み上げることはまた別とは思いますが…少なくともスムーズに学習がすすめられたのは確かです。
国語の試験が苦手ではない
これも特に二次試験の話です。たぶん読解力と文章力(特に簡潔にまとめる力)が高い人はかなり有利だと思います。
逆にこれらのスキルが低いと必要な知識が十分備わっていてもかなり厳しい戦いになると感じました。もっとも診断士試験を受ける人でなおかつ二次に進む人ですからそういう人は少ないとは思いますが。
ビジネス書などを読んでいる
他の資格と比べて診断士試験が面白いと思うのは普段の読書などの経験がけっこう生かせることです(他の専門資格だとつまい食いの読書経験はたぶん役に立たない)。
私の場合、もともと組織や人、仕事や現場の効率化、といったことに関心があったのでビジネス書はよく読んでいました。
特にトヨタ関連は生産管理や人材育成などを読み漁っていたことがあります。
また定番ですが、ドラッカーやマッキンゼー関連はそれぞれ数冊読んでいました(診断士試験のために読むのは学習効率的によくないですがマンガはとっつきやすいのでおすすめです)。
実際は読んだ内容はほとんど覚えていませんし、実践もしていません。
ただこういうことに触れる習慣や考え方に馴染んでいたことがけっこう大きかったと感じています。なぜならこれは重要科目である「企業経営理論」と「運営管理」の中心部分だからです。しかし教材だけではそれぞれのキーワードについてかなり絞った内容しか扱われません。そのため馴染みがないと丸暗記のようになってしまいかねません。
まとめ
なお私は経営に直接関わったことはありませんが、そういった実務経験のベースがないことは試験で不利ではないです。本当に経営やコンサルに関心があれば絶対楽しんで勉強を続けられると思います。
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