中小企業診断士は二次試験が本番とも言われる試験です。
そういうわけで二次試験に照準を合わせながら一次試験の勉強を進められると効率がいいだろうなあ、と思っていました。
しかし実際には一次試験の内容を仕上げるのが大変でそんな余裕はなく、一次試験終了後に二次試験の対策を始めました。運もあってストレートで合格できましたが、一次試験対策の段階でやっていてよかったなあと感じることが3点ほどあるのでご紹介したいと思います。
とにかく最初に二次試験の過去問をやってみた
私は資格試験の勉強をはじめるときにはテキストを揃える前、つまり知識ゼロの状態で過去問を1年分やることにしています。
中小企業診断士の場合、二次試験まであるということで最初は一次だけやってみようかとも思いましたが二次もやりました。やったといっても事例一個につき30~40分くらいで適当に答えを書いてみた後、ざっと解答の見本を見たくらいです。また事例Ⅳは全く手が付けられませんでしたが、簿記2級と比べてこれはかなり勉強しないと無理そうだなあという感覚を持ちました。
これをやってよかったのは一次試験の勉強中ずっと頭の片隅に二次のイメージが持てていた、ということです。
長期戦の勉強の中でモチベーション維持はかなり重要な課題ですから、最終試験を受けている自分のイメージができたこと、そのためにも一次試験をしっかり突破するという動機づけを持ち続けられたことは大きかったです。
また二次で記述するという感覚で一次を勉強することには大きな意味があります。
加えて一次試験の7科目をざっと網羅した段階(5月)で、一度二次試験の模試を受けたこともよかったなあと思っています。最初に試しでやってみたのとこの模試とで二次試験とはどういうものかがだいぶ見えていたので、一次試験の自己採点終了後すぐにスタートを切れました。
細かい暗記より体系的な整理をしっかり行なった
基礎知識をしっかりつければ60点(合格点)を取れるように問題は作られているからです。丸暗記や語呂合わせはしませんし、断片的な知識なら切り捨てます。
この方針が二次試験を短期間の対策でなんとか突破できた理由の一つではないかと思っています。根本から体系的な整理ができていると頭の引き出しからスムーズに取り出せるので、二次試験で知識をしっかり生かせます。二次試験で得点につながりやすい多面的な視点も持ちやすくなります。
私の勉強の目標はホームページで言うところの「パンくずリスト」が見えている状態をつくることでした。
例えば、「ナレッジマネジメント」・・・知識の共有化。ということで終わるのではなく、「経営組織論>組織の活性化>組織学習>ナレッジマネジメント」というふうに整理をしておきます。
これで「組織を活性化するにはどうすればいいか」というような二次試験でよくあるパターンに対してスムーズに知識が引き出せます。この例の場合「組織学習」の下層にある「シングルループ学習とダブルループ学習」なども並行して思い出しやすいです。
もちろん実際にはそんなに頭の中がきれいに整理されているわけではありません。また二次試験でよく使う知識がどれかといったこともわかっていませんでした。それでもこのように「常に引き出しを整理しよう」とする習慣で一次を学習したことが、二次対策で大いに生きたと感じています。
なお私が一次試験対策で活用した教材はスタディング
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施策の実戦的な活用事例などを調べた
一次試験の範囲は広いので、テキストでは一つの施策や理論についてそんなに深くは掘り下げていません。
時間がもったいないとか脇道に逸れたくないと思ってつい調べることを怠りそうになりますが、イメージができないものを丸暗記しようとするより一度ググる方が一発で覚えます。
特に「企業経営理論」と「運営管理」、この2科目は二次直結なのでおすすめです。2~3分でもかなり理解が深まります。特に「施策」と組み合わせて「効果」「実務」「現場」などで検索をかけると具体的な事例がけっこう出てきておもしろいので飽きずに勉強できます。
このようにして「なぜ」「それの効力」「そういうことが起こるパターン」「どういうときにそれを使うのか」などの理解を得るようにしていたことが二次試験の事例問題で生きた気がしています。
まとめ
もう一度まとめると
- 勉強開始前に二次試験の問題をやってみる
- 体系的な整理を重視する
- 施策の活用事例などを調べる
というものでした。
どうしても二次試験の関連科目の知識を強化するという安易な方法になりがちかと思います。
ですが、例えば一次の「企業経営理論」や「運営管理」の点数を細かい知識で表面的に上げても二次の得点力にはなりません。頻出論点を整理・強化し、いつでも引き出せるようにすることが一次はもちろん二次の得点力を確実に向上させていくことになると思います。
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